暗号の歴史

カテゴリ: 今月のヒヤリ

インターネットが広く普及し、あらゆる情報を通信を介して管理する現代では、
情報を保護するための暗号化技術が多方面で日常的に使われています。

かつて暗号は、軍事・政治目的で発達をしていきました。
今回は、歴史上で使用された暗号を一部ご紹介します。

・スキュタレー暗号
紀元前 6 世紀頃に、古代ギリシャの都市国家・スパルタで使われていた暗号です。
スキュタレーとはギリシャ語でバトンの意味で、暗号を作る時・解読する時に使う棒のことを指します。
暗号を送る人は、棒に革紐を巻きつけ、棒の縦方向に沿って横書きで複数行の文章を書きます。
棒から外した革紐を伸ばした状態にすると、書いた文字の順番がぐちゃぐちゃになり、意味不明な文字列になります。この革紐を暗号として送ります。
暗号を受け取った人は同じ太さの棒に革紐を巻きつけ、文字を解読する、というものです。

・シーザー暗号
紀元前1世紀頃に誕生した暗号で、古代ローマの英雄、
ガイウス・ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)が使用したことから名前がつきました。
シーザー暗号は、元の文章(平文といいます)のアルファベットを何文字かずらして暗号化します。
例えば、「3文字ずらす」というルールにした場合、
「A」は「D」に、「B」は「E」になり、「HELLO」は「KHOOR」になります。
何文字ずらすかはあらかじめ暗号を送る側と受け取る側で決めておき、メッセージをやりとりします。

・上杉暗号(字変四十八)
戦国時代の武将、上杉謙信の軍師だった宇佐美定行が考案したといわれる暗号です。
7×7マスの表に「いろはにほへと…」の48文字を一文字ずつ、右上から書き込み、
一文字を行と列の番号で表現します。
例えば、「い」は一列一行目にあるので「一一」、「ね」は三列六行目なので「三六」です。
「こんにちは」は「五五 七六 一四 二一 一三」という暗号になります。

これらの暗号はルールがわかりやすいので、謎解きの問題に使ってみるのも面白いかもしれません。
現代の情報セキュリティで広く使用されている暗号化技術は、
より複雑で現実的な時間と労力では解読ができないようになっていますが、
どのような暗号化技術が存在するのか知ることは、
自分の大切な情報を守ることに繋がるのではないかと思います。